完成しました!! 1/700 米海軍 重巡洋艦 【デ・モイン(USS DES MOINES CA-134)】(1948年 竣工時前後) ㉑
完成画像を載せます!!
◆世界最強にして最後の水上砲戦型 重巡洋艦といわれるデモイン級 ネームシップ 米海軍 重巡洋艦 【デ・モイン】
水上戦闘を主眼として設計された第二次大戦型の巡洋艦デザインの最高峰とされています!!
◎ベリーファイヤ製のキットをメインにして各種の専用エッチングパーツや、汎用エッチングパーツ、多数の材料を使用し、必要箇所は素材から自作パーツなども用いてスクラッチ製作し、可能な限りディテールアップしました
艦名は、『アイオワ州デモイン』に因みます。
レーダーが発達し戦果を上げるようになる以前の時期、米海軍では自国の巡洋艦で、特に夜戦において日本の巡洋艦を撃破することは困難と推測されていました。日本は、砲撃、水雷能力に優れていました。
そこで、デモイン級は、日本海軍の重巡洋艦との戦闘において、これらを効率的に撃破可能な「新型速射砲」を備えた「巡洋艦」というコンセプトのもと企画されました。
・起工日 1945年5月28日
・竣工日 1948年11月16日
・退役日 1961年7月6日
デモイン級最大の特徴は、世界初の自動装填装置を備えた主砲、「8インチ55口径Mk.16 3連装 新型速射砲」で、1門あたり毎分10発というおそろしい発射速度を有していました。日本重巡の主砲発射速度は、1門あたり毎分3~5発と言われていたので、2~3倍以上上回り、実質的な打撃力は在来艦を大幅に上回っていました。
デモインは、竣工時に搭載機やカタパルトが設置されていましたが、その後に撤去されて搭載艇に替わっています。
竣工時はもしかすると艦橋に屋根がまだ付いてなかったかもしれませんが(はっきりしたことはわからず)、いつ頃付いたかも不明でしたので、今回は製作年次を1948年前後として屋根も設置しています。
そして、今回、ご依頼主様のご希望で、
『戦艦シュペー号の最後』という映画に実艦で出てくるデ・モインと同型艦の「セイレム」の航海中の映像をイメージして製作しています。それに合わせて、艦尾のクレーンも後ろに向けています。
この映画、CGではなくて、撮影に実艦の艦船が使用されていて、とても見応えがあり驚きます(゜o゜)
是非ご視聴をおすすめします♪
出来るだけ画像を載せましたので、ご覧下さい!!
(画像はクリックすると高画質でご覧頂けます)

・全長が218メートル、満載排水量21,000tの巨体を誇り、それまでに建造された最大の重巡洋艦で、かつての「弩級戦艦」に引けを取らない規模と威容は(戦艦長門の全長は216メートル)、艦隊の旗艦を務めるのにも最適でした。

・最大の特徴、世界初の自動装填装置を備えた主砲、「8インチ55口径Mk.16 3連装 新型速射砲」です。

・仰角は、マイナス5度~41度までで、どの角度でも弾丸を自由に機械力で装填でき、1門あたり毎分10発の発射速度を持つ高性能砲です。

・給弾装填は、完全に自動的に行われていました。
なるべく立体的になるように製作しています。

・こちらは、後方の第三主砲です。

・再び 第一・第二主砲、米海軍が誇る史上最強の重巡用高性能主砲でした。

・信号旗は、左舷前方マストにデ・モインが旗艦を務めていた第六艦隊旗艦を示すものと、右舷前方マストには、デ・モインということで、国際信号旗の「D」の旗を掲げています。正式な意味は、「私を避けよ」という意味ですが、雰囲気で上げています。でも、今回、戦闘航行中をイメージして作っていますので、なんとなく掲げてそうな旗です。

・後方マストのアメリカ国旗、大きめの旗が、堂々とした印象を与えます。

・黄色の信号旗が、「D」旗です。

・錨甲板の様子です。今回、アンカーチェーンに3Dプリンタチェーンを使用しました。立体的でチェーンがもつれないようにリンクにスタッド(間柱)があり、本物のような形状をしているのですが、3Dプリンタ製ですので、「樹脂」で出来ていてとても扱いが繊細でした。引っ張るとすぐにちぎれてしまいます。慎重にケーブルホルダーに巻き付けて、甲板と接着させました。

・艦種番号、「CA-134」です。記号の「CA」は、一等巡洋艦、とりわけ重巡洋艦を意味しています。「C」はクルーザー(巡洋艦)のことを表していて、「CS」(偵察巡洋艦)、CF(航空巡洋艦)など、様々に細分化されています。

・後方からの威容です。戦艦並みの大きさが伝わってきます。

・マストのレーダー装備群です。
対水上捜索レーダー(SG-6レーダー)、対空レーダー(AN/SPS-6C)、高角測距レーダー(AN/SPS-8A)などなど...
なるべく、歪ませないように、まっすぐになるよう、または自然な曲線が出るように、全力の集中力で設置していきました。

・搭載機(SC-1 シーホーク)×2です。
この『SC-1 シーホーク』、以前もおこなったことがあるのですが、キャノピー部分のエッチングがないので、真鍮線を一本一本組んで自作で再現しています(;・∀・)

・コクピットをくり抜いて、シート部分やヘッドレスト部分、シートベルトも再現しています。
接写での撮影が結構難しく、伝わればいいのですが・・・。

・艦尾に【デ・モイン】のネームがあります♪

・主砲以外の装備も最新鋭の重武装です。
これは、「3インチ Mk.12 連装両用砲」(対空・対水上対応砲)です。
5インチ両用砲の形状は、細部がその艦によって微妙に変わっており、デモインでは、このような形状をしています。
以前作った他のアメリカ艦艇とも、手摺が付いてたり付いてなかったり、防水キャンパスの有り無しなど、その都度違っています。
5インチ両用砲用の後ろにあるパラボラが上部に設置されているものは、「Mk.37 射撃指揮装置」です。
米国艦を製作する場合、とても艦の中央の目立つ位置に設置されているため出来るだけ作り込みました。
艦首・艦尾方向に一基ずつ、両舷にも一基ずつの「合計4基」設置しています。

・赤矢印の台座に搭載されている兵装は、新世代の76㎜速射砲「3inch 50口径 Mk.33 連装対空機関砲」です。
日本の航空攻撃は苛烈極まれるもので、特に大戦末期の特別攻撃(特攻)やロケット特攻機(桜花)に対しては、今までの防空システムでも万全じゃありませんでした。
それに対抗するため、近接信管も装填可能な中距離速射砲を開発しました。
※これまで長い間、中距離の対空を担っていた「ボフォース40㎜対空機関砲」に替わるものです。

・写真中央にあるものは、「エリコン 20ミリ 連装機関砲」です。各所に設置しています。
接近戦用の兵器として、対空防御の最終的な要でした。
「連装タイプ・軽架台式」になっていて、、とても繊細なパーツのため組み立てが少々やっかいでしたが、どうにか形になってくれました😅盾部分、銃身部分、架台部分、弾倉部分と、色を塗分けています。
20ミリ単装機関砲での話ですが、日本の25ミリ機銃の約二倍の発射速度があったそうですΣ(・ω・ノ)ノ!
強力な弾幕を張ることが出来ました。

・艦橋側面に設置してあるパラボラが付いている装置は、76㎜速射砲用の「Mk.56 射撃指揮装置」 です。
この射撃指揮装置、第二次世界大戦世代の射撃指揮装置としては、最高度の性能を備えているとのことです。
レンズ部分に透明レジンを流し込んでいるんですが、写真では小さくてよく伝わらない(;・∀・)
射撃指揮装置とも合わせて、新76㎜速射砲は、大戦中の対空兵装の総決算といえる新世代の対空砲でした。

・艦橋窓には、いつものガラス表現(フィルム)をしています。
作りが日本艦と違いますが、慎重に組み込んで再現しています。

・正面からの撮影です。

・光を当てるとキラリとひかります✨

・これは、信号旗収納箱です。ズームするとわかるのですが、中に収納した旗を模した物を入れ込んでいます。

・中央のバスケット状のものに入っているのは、人命救助のための浮き「フローターズネット」です。
0.3㎜プラ棒で作っています。
外国艦っぽさを感じる「救命筏」も各所の砲塔側面に設置しています。

・かつての弩級戦艦並みのサイズですが、縦にすると速力、耐航性も高そうな巡洋艦っぽさを感じます♪

・防御面でも強力でした。

・下から見上げたところです。

・張り線がよく見えます。
デモインは、張り線設置がシンプルかと思ったら中央部に集中していて、思ったより大変な箇所でした(;´Д`)

・映画『シュペー号の最後』での同型艦「セイレム」の航海中、右舷前方からのアングルのイメージです ^^) _旦~~

・今回、ブリキ製の自作ネームプレートを設置しました。

・家にあったアメリカ硬貨、5セントコインとの大きさ比較です。
日本の50円玉と同じくらいの大きさです。

模型全体に、つや消しによる保護コーティング塗装を行っています。
「史上最強の砲戦型巡洋艦」といわれた『デ・モイン』、かつての弩級戦艦に引けを取らない規模と威容により、地中海に展開する第六艦隊旗艦を1961年まで務めました。
1961年の退役後は「ボスモール処理」され、フィラデルフィア整備施設で2006年まで保管されました。博物館船として公開しようとしましたが不調に終わり、その後スクラップ処分されました。
廃棄処分は、2007年1月中旬まで行われたとのことです。
現在、同型艦の「セイレム」(竣工日1949年5月14日)が、博物館船として公開されています。
それでは!m(__)m
※参考図書・資料
・世界の重巡洋艦パーフェクトガイド(歴史群像 太平洋戦史シリーズ 特別編集 学研)
・世界の艦船(アメリカ巡洋艦史 増刊第36集 1993.No.464 海人社)
・世界の艦船(アメリカ巡洋艦史 11月号増刊 2016.No.849 海人社)
・写真集米国の巡洋艦(丸 季刊 Graphic Quarterly SUMMER 1976 No.25 潮書房 )
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