完成しました!!1/700 米海軍 大型巡洋艦【アラスカ(USS Alaska CB-1)】(1944年11月~12月頃)㉔ (依頼製作)
完成しました!! 1/700 米海軍 大型巡洋艦
【アラスカ(USS Alaska CB-1)】(1944年11月~12月頃)㉔
完成画像を載せます!!(*'▽')
米海軍 大型巡洋艦アラスカ級一番艦、ネームシップの【アラスカ】は、戦艦と巡洋艦を掛け合わせた独自の『ハイブリット艦』で、巡洋艦と戦艦の中間ともいえる独自のスタイルが魅力の艦です。
非常に細長い形状の特殊な巡洋艦で、全長だけなら「アイオワ級戦艦」にも匹敵する長さです!
船体分類記号の「CB」とは、「クルーザービック」のことで、
「ラージクルーザー(CL)」が使われないのは、すでに軽巡洋艦で
「ライトクルーザ(CL)」の艦種記号が充てられていたためとのことです。
ちなみに、重巡洋艦は別に「CA」という記号が割り当てられており、
大型巡洋艦は、アメリカでは重巡とは別で区別されていました。
◎2021年4月に発売された、トランペッター製の最新キットをメインにして各種の流用エッチングパーツや、汎用エッチングパーツ、多数の材料を使用し、必要箇所は自作パーツなども用いてスクラッチ製作し、可能な限りディテールアップしました。
この1/700 アラスカ製作が始まった2022年8月頃は、アラスカ用の純正エッチングパーツセットというものが発売されていなくて、流用エッチングパーツ(主にフライホーク社 アイオワ級エッチングパーツセットFH780003)や、自作パーツなどを駆使してスクラッチ製作しています。現在(2022.3月)は、純正エッチングパーツセットが発売されているかもしれません( ;∀;)
製作年次は、フィラデルフィア海軍工廠で改装工事を経てレーダ類も最新になり、米海軍特徴のダズル迷彩(ミディアムパターンシステム)が施されていた、1944年11月~12月頃の艦容を目指して製作しました。
専用エッチングパーツがなかったので(キットに付属されている、11個のエッチングパーツのみ・・・)、どこまで作り込めるか未知数な部分もありましたが、数少ない貴重な資料も参考にして、全力で製作しました!!(ノД`)・゜・。
出来るだけ画像を載せましたので、ご覧下さい!!
(画像はクリックすると高画質でご覧頂けます)


・『大型巡洋艦』(実質的な巡洋戦艦)というのは他国にはあまり見られない特殊な艦で、日本が「秩父型大型巡洋艦」なるものを密かに建造しているという誤情報を掴んで対抗するために建造されました。


・上甲板や構造物にも迷彩塗装が施されています。


・アラスカ特有の12インチ3連装主砲は、ワイオミング級戦艦の砲を改良したアラスカ級のために採用した砲で、12インチ砲ながら14インチ砲弾並の重量級の砲弾が発射可能でした。

・12インチ砲は日本の14インチ砲搭載の高速艦との交戦を想定して開発されたもので、一発あたりの破壊力は、14インチ砲弾と比べるとやや劣りますが、装甲貫徹力は、日本の14インチ砲弾にほぼ匹敵するほどの威力があったそうです。
砲身リコイル部分は、ハセガワの「チタンフィニッシュ」を巻き付け、
墨入れで味わいを付けています♪
1/700 12インチ砲真鍮砲身がなかったため、キットのものを加工して使用しましたが、真鍮製と遜色なく設置できてよかったです。


・この時期のダズル迷彩、メジャーシステム塗装、
『メジャー32/デザイン1D』(ミディアムパターンシステム)を施しています。
5-L(ライトグレー)、ダルブラック、20-B(デッキブルー)、5-O(オーシャングレー)で舷側・上甲板・構造物が塗分けられていました。 塗料をイメージに合うように調色し、エアブラシと筆塗を繰り返して仕上げました。

・ダルブラックの黒が、かなりの迷彩効果(主に対潜用迷彩)を発揮しているように思えます。


・この時期の太平洋で活動していた多くの艦艇に適用されていた、
メジャー32・ミディアムパターンシステムは、太くコントラストが強い幾何学的なパターンで、左右非対称となっています。


・アメリカ国旗と信号旗です。
信号旗は、何を示しているのか詳しくはわかりませんが、アラスカ写真資料を参考にして同じような色・形のものを取り付けています。

・船体と同様、艦橋の形状も、とてもスマートで美しいです。


・搭載機『SC-1 シーホーク 水偵』です。この時期の3色スキームで塗装しています。
キャノピーが真鍮線による自作で大変でしたが、なんとか形になってよかったです( ;∀;)


・シーホークは、カタパルトに一機づつ搭載しています。
アラスカは、細長い船体で船体スペースに余裕があったため、搭載機の運用が艦尾甲板よりも容易で波浪の影響も受けにくいという理由から、
艦中央部にカタパルトを含む航空艤装が設置されていました。
この配置は後に、カタパルトが対空砲の射界を遮るという問題も生じさせたそうですが、艦中央部に配置したことで、とてもスマートにまとまった綺麗な船体形状になっております✨

・錨甲板には、揚錨繫留装置が装備されています。
参考資料を見ながら、手探りで進めていきました。

・艦首部は、比較的強いシアーやフレアーが付けられ凌波性を考慮した「クリッパー型艦首」となっています。

・迷彩の黒でよく見えませんが、煙突上に設置されているトランペットのような形の『汽笛(きてき)』も再現しています。

・後部艦橋付近の5インチ両用砲の一部は、少しだけ角度を上げて、上空を狙っている感じにしました。
Mk.37射撃包囲盤と、Mk.12/22両用砲射撃指揮レーダーは、資料画像を参考に、素材を組み合わせて作っています。



・艦尾甲板付近の様子、甲板物品を取り付け、「救命筏(イカダ)」を
ロープで固定しています。φ(・ω・。)


・SKレーダー(対空探索)、SGレーダー(水上探索) 、TBSアンテナ、IFFアンテナなどなど・・・
1944年竣工の大型巡洋艦アラスカ級には、日本の「八木・宇田アンテナ」と「分割陽極型マグネトロン」の技術を使った様々な 高性能レーダーが搭載されていました。



・一本一本極細真鍮線を組み合わせて作っています。

・SGレーダー(水上探索) の設置櫓の手摺が、微妙なバランスが必要で意外と苦労した部分です(;´Д`)


・艦橋前面上部の『TDYアンテナ』が個人的に好きなポイントです♪

・アラスカが任務についていたのは、主に沖縄などの周辺海域ですが、夜の冷たい海が合っているようなイメージがしたので、撮影してみました。黒の迷彩が、夜にとても映えている気がします( ^^) _U~~


・艦橋真正面からの撮影です。

・ネームプレートと一緒に撮影です📷✨

・家にあったアメリカ硬貨、5セントコインとの大きさ比較です。
ちょっとわかりにくいかも知れませんが・・・
日本の50円玉と同じくらいの大きさです(^^;

・箱絵と一緒にパシャリ✨多くの試行錯誤があり時間がかかりましたが、完成してとても嬉しいです(´;ω;`)ウッ…
模型全体に、つや消しによる保護コーティング塗装を行っています。
アラスカ級は、戦争の後期に完成したため、想定していた日本艦との海戦の機会はあまりありませんでしたが、高速空母に随伴して機動部隊を構成するのに最適な艦でした。
※硫黄島上陸作戦、沖縄作戦、日本本土攻撃などに参加
良いところ、独自性もいっぱいありましたが、運動性能(旋回性能)があまり良くなく、長細い船体で直進安定性は抜群でしたが、良すぎて
「舵(かじ)」のききがタンカー並に悪く、艦隊行動を乱すほどでした。完全に空母に随伴できるほど機関出力に余力はないとの報告もありました。
そういった理由などから、1947年2月17日に退役、1960年6月1日に
僚艦「グアム」とともに除籍されました。
しかし、独自のハイブリッドスタイルの細長い船体とスラっとした艦橋、異国感あふれる迷彩塗装は、美しい異彩を放っています。
最後になりましたが、戦争は模型の世界だけで十分です。実戦は絶対にしてはいけません。
ウクライナに早く平和が訪れますように・・・。
それでは!m(__)m
※参考図書・資料
・アメリカの戦艦(歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol.58 学研)
・世界の艦船(第二次大戦のアメリカ戦艦 10月増刊 1999.No.559
海人社)
・写真集米国の巡洋艦(丸 季刊 Graphic Quarterly SUMMER 1976 No.25 潮書房 )
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【アラスカ(USS Alaska CB-1)】(1944年11月~12月頃)㉔
完成画像を載せます!!(*'▽')
米海軍 大型巡洋艦アラスカ級一番艦、ネームシップの【アラスカ】は、戦艦と巡洋艦を掛け合わせた独自の『ハイブリット艦』で、巡洋艦と戦艦の中間ともいえる独自のスタイルが魅力の艦です。
非常に細長い形状の特殊な巡洋艦で、全長だけなら「アイオワ級戦艦」にも匹敵する長さです!
船体分類記号の「CB」とは、「クルーザービック」のことで、
「ラージクルーザー(CL)」が使われないのは、すでに軽巡洋艦で
「ライトクルーザ(CL)」の艦種記号が充てられていたためとのことです。
ちなみに、重巡洋艦は別に「CA」という記号が割り当てられており、
大型巡洋艦は、アメリカでは重巡とは別で区別されていました。
◎2021年4月に発売された、トランペッター製の最新キットをメインにして各種の流用エッチングパーツや、汎用エッチングパーツ、多数の材料を使用し、必要箇所は自作パーツなども用いてスクラッチ製作し、可能な限りディテールアップしました。
この1/700 アラスカ製作が始まった2022年8月頃は、アラスカ用の純正エッチングパーツセットというものが発売されていなくて、流用エッチングパーツ(主にフライホーク社 アイオワ級エッチングパーツセットFH780003)や、自作パーツなどを駆使してスクラッチ製作しています。現在(2022.3月)は、純正エッチングパーツセットが発売されているかもしれません( ;∀;)
製作年次は、フィラデルフィア海軍工廠で改装工事を経てレーダ類も最新になり、米海軍特徴のダズル迷彩(ミディアムパターンシステム)が施されていた、1944年11月~12月頃の艦容を目指して製作しました。
専用エッチングパーツがなかったので(キットに付属されている、11個のエッチングパーツのみ・・・)、どこまで作り込めるか未知数な部分もありましたが、数少ない貴重な資料も参考にして、全力で製作しました!!(ノД`)・゜・。
出来るだけ画像を載せましたので、ご覧下さい!!
(画像はクリックすると高画質でご覧頂けます)


・『大型巡洋艦』(実質的な巡洋戦艦)というのは他国にはあまり見られない特殊な艦で、日本が「秩父型大型巡洋艦」なるものを密かに建造しているという誤情報を掴んで対抗するために建造されました。


・上甲板や構造物にも迷彩塗装が施されています。


・アラスカ特有の12インチ3連装主砲は、ワイオミング級戦艦の砲を改良したアラスカ級のために採用した砲で、12インチ砲ながら14インチ砲弾並の重量級の砲弾が発射可能でした。

・12インチ砲は日本の14インチ砲搭載の高速艦との交戦を想定して開発されたもので、一発あたりの破壊力は、14インチ砲弾と比べるとやや劣りますが、装甲貫徹力は、日本の14インチ砲弾にほぼ匹敵するほどの威力があったそうです。
砲身リコイル部分は、ハセガワの「チタンフィニッシュ」を巻き付け、
墨入れで味わいを付けています♪
1/700 12インチ砲真鍮砲身がなかったため、キットのものを加工して使用しましたが、真鍮製と遜色なく設置できてよかったです。


・この時期のダズル迷彩、メジャーシステム塗装、
『メジャー32/デザイン1D』(ミディアムパターンシステム)を施しています。
5-L(ライトグレー)、ダルブラック、20-B(デッキブルー)、5-O(オーシャングレー)で舷側・上甲板・構造物が塗分けられていました。 塗料をイメージに合うように調色し、エアブラシと筆塗を繰り返して仕上げました。

・ダルブラックの黒が、かなりの迷彩効果(主に対潜用迷彩)を発揮しているように思えます。


・この時期の太平洋で活動していた多くの艦艇に適用されていた、
メジャー32・ミディアムパターンシステムは、太くコントラストが強い幾何学的なパターンで、左右非対称となっています。


・アメリカ国旗と信号旗です。
信号旗は、何を示しているのか詳しくはわかりませんが、アラスカ写真資料を参考にして同じような色・形のものを取り付けています。

・船体と同様、艦橋の形状も、とてもスマートで美しいです。


・搭載機『SC-1 シーホーク 水偵』です。この時期の3色スキームで塗装しています。
キャノピーが真鍮線による自作で大変でしたが、なんとか形になってよかったです( ;∀;)


・シーホークは、カタパルトに一機づつ搭載しています。
アラスカは、細長い船体で船体スペースに余裕があったため、搭載機の運用が艦尾甲板よりも容易で波浪の影響も受けにくいという理由から、
艦中央部にカタパルトを含む航空艤装が設置されていました。
この配置は後に、カタパルトが対空砲の射界を遮るという問題も生じさせたそうですが、艦中央部に配置したことで、とてもスマートにまとまった綺麗な船体形状になっております✨

・錨甲板には、揚錨繫留装置が装備されています。
参考資料を見ながら、手探りで進めていきました。

・艦首部は、比較的強いシアーやフレアーが付けられ凌波性を考慮した「クリッパー型艦首」となっています。

・迷彩の黒でよく見えませんが、煙突上に設置されているトランペットのような形の『汽笛(きてき)』も再現しています。

・後部艦橋付近の5インチ両用砲の一部は、少しだけ角度を上げて、上空を狙っている感じにしました。
Mk.37射撃包囲盤と、Mk.12/22両用砲射撃指揮レーダーは、資料画像を参考に、素材を組み合わせて作っています。



・艦尾甲板付近の様子、甲板物品を取り付け、「救命筏(イカダ)」を
ロープで固定しています。φ(・ω・。)


・SKレーダー(対空探索)、SGレーダー(水上探索) 、TBSアンテナ、IFFアンテナなどなど・・・
1944年竣工の大型巡洋艦アラスカ級には、日本の「八木・宇田アンテナ」と「分割陽極型マグネトロン」の技術を使った様々な 高性能レーダーが搭載されていました。



・一本一本極細真鍮線を組み合わせて作っています。

・SGレーダー(水上探索) の設置櫓の手摺が、微妙なバランスが必要で意外と苦労した部分です(;´Д`)


・艦橋前面上部の『TDYアンテナ』が個人的に好きなポイントです♪

・アラスカが任務についていたのは、主に沖縄などの周辺海域ですが、夜の冷たい海が合っているようなイメージがしたので、撮影してみました。黒の迷彩が、夜にとても映えている気がします( ^^) _U~~


・艦橋真正面からの撮影です。

・ネームプレートと一緒に撮影です📷✨

・家にあったアメリカ硬貨、5セントコインとの大きさ比較です。
ちょっとわかりにくいかも知れませんが・・・
日本の50円玉と同じくらいの大きさです(^^;

・箱絵と一緒にパシャリ✨多くの試行錯誤があり時間がかかりましたが、完成してとても嬉しいです(´;ω;`)ウッ…
模型全体に、つや消しによる保護コーティング塗装を行っています。
アラスカ級は、戦争の後期に完成したため、想定していた日本艦との海戦の機会はあまりありませんでしたが、高速空母に随伴して機動部隊を構成するのに最適な艦でした。
※硫黄島上陸作戦、沖縄作戦、日本本土攻撃などに参加
良いところ、独自性もいっぱいありましたが、運動性能(旋回性能)があまり良くなく、長細い船体で直進安定性は抜群でしたが、良すぎて
「舵(かじ)」のききがタンカー並に悪く、艦隊行動を乱すほどでした。完全に空母に随伴できるほど機関出力に余力はないとの報告もありました。
そういった理由などから、1947年2月17日に退役、1960年6月1日に
僚艦「グアム」とともに除籍されました。
しかし、独自のハイブリッドスタイルの細長い船体とスラっとした艦橋、異国感あふれる迷彩塗装は、美しい異彩を放っています。
最後になりましたが、戦争は模型の世界だけで十分です。実戦は絶対にしてはいけません。
ウクライナに早く平和が訪れますように・・・。
それでは!m(__)m
※参考図書・資料
・アメリカの戦艦(歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol.58 学研)
・世界の艦船(第二次大戦のアメリカ戦艦 10月増刊 1999.No.559
海人社)
・写真集米国の巡洋艦(丸 季刊 Graphic Quarterly SUMMER 1976 No.25 潮書房 )
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